【導入事例:STAUT】提供サービスの競争力を高めるため、成長戦略としてRPAを導入。デジタルマーケティング会社のRPA活用法

【導入事例:STAUT】提供サービスの競争力を高めるため、成長戦略としてRPAを導入。デジタルマーケティング会社のRPA活用法

マーケティング戦略や広告ポートフォリオの設計はもちろん、リスティング広告の運用代行、SEO、クリエイティブ(LP・サイト・バナー)制作に至るまで、デジタルマーケティング施策の上流から下流までを総合的に支援している、株式会社STAUT様。代表取締役の松尾様とマーケティングストラテジストの西様に、Robotic Crowdを導入事例インタビューを行いました。

提供サービスの競争力を高めるため、成長戦略としてRPAを導入

ーーRobotic Crowdの導入背景を教えてください

松尾氏:限られたリソースのなかでクライアントへの提供価値をどう伸ばせるのか考えるなかで、人手に依存しない価値を作り出していくための成長戦略としてRPAを導入することにしました。

ーーRPAのなかでもRobotic Crowdを選んでいただいた理由はどのようなものなのでしょうか?

松尾氏:Robotic Crowdを知ったのは、パートナー企業の代表から「RPAなら良い製品があるよ」と紹介していただいたのがきっかけでした。その後デスクトップ型とクラウド型RPAの間で「できること」の違いをベースに比較をし、Robotic Crowdに決めました。デスクトップ型との違いなども含め、こちらの質問に真摯に答えてくれた姿勢も好印象でした。

ネット上の情報収集業務を自動化

ーー具体的に、どのような業務に導入をされていらっしゃるのでしょうか

西氏:1つは、リスティング広告の運用代行業務のためのオンライン上の情報収集業務の自動化です。デジタルマーケティングの支援を行う当社ではクライアントの広告の掲載状況および競合の入札状況等を把握するために、特定のキーワードを一日に数回Yahoo!とGoogleのサーチエンジンにかけ、「どのような掲載内容のクリック率が高いか、また競合はどう掲載しているか」などの分析に基づいた運用改善を行うのですが、検索と検索結果の画像をキャプチャーしていく作業を自動化することで、最終的に人の目で行う以前の部分である情報収集業務を自動化しました。

※インターネット上に特定のキーワードで検索をかけ、検索結果を別シートに転記していく作業はスクレイピング・ウェブクローリングとも呼ばれています

松尾氏:RPAを導入してよかったことは、人力で提供するにはむずかしいサービスができるようになるというか、人の手では現実的ではないような仕事を漏れなくミスなく正確にカバーできるようになり、それをまたデータベースとして蓄積できるようになった点です。例えば、クライアントが何社もある中、20個のキーワードを朝・昼・晩と1日3回、2種類のサーチエンジンで365日検索し続けるというのは、少し非現実的なので。

西氏:社内でのRobotic Crowdの活用は使う中で徐々に進化して、前述の広告掲載チェックの自動化をバージョンアップし、画像をキャプチャーするのではなく、内容を抜き取ってスプレッドシートの所定の場所へと転記させていく形へと最近では置き換えました。ウェブからデータを取ってくるロボットはドラッグ&ドロップで直感的に設定が可能で簡単だったのですが、JavaScriptを使った設定を行うと、より高度でカスタマイズした設定ができるようになると、使っていくなかでわかったので、ツールの使いこみ度が上がりました。画像キャプチャーはGoogle Driveの容量も食うので、直接スプレッドシートへの転記設定を組んだことで今では一覧表に全て必要な情報が落ちるようになり、分析の効率がすごく上がりました。一月に3〜4人分の手は浮いていると感じます。

西氏:2つ目の導入業務は、AdWords ScriptsやGoogle Apps Scriptと組み合わせての自動化なのですが、Yahoo!とGoogleのリスティング広告の掲載結果レポートを定期的に自動でダウンロードし、検索ワード・インプレッション・コンバージョンの数などをロボットにスプレッドシートに転記させ、Google Data Portalで可視化するという業務の自動化です。

低コストで、専用端末不要ながらも少量多品種の自動化ができることがRobotic Crowdの魅力

西氏:つまり、基本的にデータを集めてくる作業にRPAを活用している状況なのですが、データマネジメントプラットフォームとして、データを収集することは通常数百万をかけて行うAPIの開発レベルのことになりやすいんですね。ですが、そこでRPAを使うと、自社で開発を手がけずとも手作業を自動化できるものが多く、低コストで試すことができるため、とても重宝しています。

松尾氏:また、これは使ってみての感想なのですが、クラウド型のRPAは普通に使用しているPC上でロボットを稼働させられるので、専用端末としてのPCが不要なところも良かったと思っています。専用のPCを作るのも、ちょっと勿体無いので。これは、稼働中はPCが占拠されてしまうデスクトップ型のRPAにはない利点ですね。また決められたことしかできないRPAではなく、定額で2つのロボットを買い切り、自分たちのニーズに応じてちょこちょこと業務の自動化をさせられるRPAにしたことも正解でした。

業務をRPA化すると確実になされる、「業務の定型化」と「ノウハウの共有・継承」

ーーRPAを導入し、業務が効率的になったということ以外の利点など、何かございましたら教えてください

松尾氏:業務が効率的になったということ以外には、これまでは個人の力量や仕事の工夫に依存していた属人性の高い仕事をロボットを通して定型化させることができたというメリットがありますね。例えばどんな情報を取ってきて、どう加工して集計するのかについても、分析の軸までをRPAの設定の中に落としてしまえば、「僕個人の知恵や考え方」が可視化され、再現性の高い会社の知見として共有されるようになります。

西氏:RPA化を進めると誰がどの業務でどのようなことをやっているのかがおのずとわかるようになるので、引き継ぎなどの際にも非常に便利だと感じています。自動化をエクセルのVBAで組んだ場合、読み解くのに時間がかかりますが、RPAだとすぐに分かるので、ノウハウの継承という意味でもとても便利です。

ーー導入にあたっての壁などは、お感じになりましたか?

西氏:特に壁は感じなかったです。ウェブからデータを持ってきての転記作業の自動化は、ドラッグ&ドロップで簡単にできましたし、ちょっと込み入ったことはJavaScriptを使ったプログラミングが出てきますが、わからないことはサポートの方がフォローしてくれるので、解決可能でした。私は元々プログラミングの知識があったこともあってツールの使いこみが容易だったということもあるかもしれませんが、Robotic CrowdはJavaScriptの知識でどんどんカスタマイズができるので、ウェブ系のエンジニアとはとても相性が良いと思います。今後の課題としては、業務のフローを分解していった時にRPAにどこを活用できるかのイメージを、より広げて行くことだと思っています。

スタートアップ・小規模企業こそ、RPAを用いた業務の効率化を検討すべき

松尾氏:今は、会社の採用時にも、RPAを使った業務効率化の経験者を積極的に採用しようとしているんです。やはり経験者を採れると、RPAを活用する速度が変わりますので。RPAを使った効率化は大企業が検討していることが多い気がするのですが、私としては、RPAをどこよりも活用すべきなのは、実は少人数規模の企業の方だと思っています。少人数規模の会社こそ、人手でなんとかするという仕事の仕方は厳しいですし、スタートアップこそ、人力に依存しない価値提供の作り方をどう作り出すかという意味でRPAのような新しい技術の活用が死活問題になってくると思っています。もちろん、大規模な会社でごそっと業務を自動化することにより削減できる費用は大きいので、それも大切なことだとは思うのですが。

松尾氏:新しい技術が出てくると、なんでもできると煽られがちです。しかし、ツールをどう活用するかこそが戦略なので、RPAの「やり続けたいけどできないような業務を正確に代行してくれる」という性質を理解した上で、それぞれが会社の競争力の向上につなげられるような活用法を考えることが肝要ですね。

(取材・文/上原里菜)